不動産取引の物件調査とは、登記、現地、役所、ライフラインなどの情報を照合し、その不動産を予定どおり利用できるか、購入後にどのような費用や制限が生じるかを確認する作業です。

ただし、調査を行えば、すべての問題が明らかになるとは限りません。

大切なのは、分かっていることと未確認事項を分け、その内容があなたの購入目的や将来の暮らしにどのような影響を与えるかを整理することです。

例えば、現在建物があるからといって、同じ規模の建物に建て替えられるとは限りません。前面道路に水道管が通っていても、そのまま利用できるとは限らない場合もあります。

こんにちは。台東区上野で、借地権・底地と不動産相続の問題整理を行っているユー不動産コンサルタント代表の脇保雄麻です。

この記事では、不動産会社が契約前に行う主な調査と、買主であるあなたが確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。

不動産取引の調査とは

不動産取引の調査とは、売買する不動産の権利関係、現地の状態、法令上の制限、道路や設備などを確認し、契約するかどうかの判断材料を整えることです。

不動産は、同じ地域にある似たような土地や建物でも、条件がすべて同じとは限りません。

  • 所有者や権利関係
  • 土地の形状や面積
  • 接している道路
  • 建築できる建物の大きさ
  • 境界や越境の状況
  • 水道や下水道の整備状況
  • 災害リスク
  • マンションの管理状況

こうした条件は、物件ごとに異なります。

そのため、不動産会社は法務局、役所、現地、設備事業者などで資料や状況を確認し、必要に応じて売主や管理会社への聞き取りを行います。

調査の目的は「問題がない」と証明することではない

不動産調査の目的は、「この不動産には何の問題もありません」と証明することではありません。

通常の調査で確認できる範囲には限界があり、専門家による測量や建物調査を行わなければ分からないこともあります。

大切なのは、次の内容を分けて整理することです。

  • 調査によって確認できた事実
  • 書類と現地が一致していない部分
  • 現時点では確認できていない事項
  • 専門家による追加調査が必要な事項
  • 購入後も残る可能性があるリスク

未確認事項があるからといって、直ちに購入できないわけではありません。

あなたの購入目的にどのような影響があるのか、追加調査や契約条件によって対応できるのかを検討することが重要です。

不動産調査と重要事項説明の違い

不動産調査と重要事項説明は、同じものではありません。

不動産調査は、物件や取引条件に関する情報を集めて確認する過程です。

一方、重要事項説明は、調査によって確認した内容や、契約するかどうかの判断に影響する事項を、宅地建物取引士が契約前に買主へ説明する手続きです。

つまり、調査内容が不十分であれば、重要事項説明書の内容も不十分になる可能性があります。

重要事項説明書に必要な項目が書かれているだけでなく、次の点まで確認することが大切です。

  • どの資料を使って調査したのか
  • 現地と書類に違いはなかったか
  • 調査しても分からなかったことはあるか
  • その内容が購入目的にどう影響するか

重要事項説明書の見方や担当者への質問例については、こちらの記事で詳しく解説しています。

※関連記事:重要事項説明書とは?契約前に確認したいポイント

不動産取引で行う8つの基礎調査

不動産取引では、主に次の8項目を調査します。

  1. 取引当事者と売却権限
  2. 登記記録と権利関係
  3. 土地の面積・境界・越境
  4. 建物と現地の状況
  5. 道路と再建築の可否
  6. 法令上の制限
  7. 水道・下水道・ガスなどの設備
  8. 災害リスク・周辺環境・管理状況

物件の種類や利用目的によって、必要な調査の範囲は異なります。

  1. 取引当事者と売却権限を確認する

    最初に確認したいのは、誰がその不動産を所有し、誰に売却する権限があるのかです。

    主に次の内容を確認します。

    • 売主本人であるか
    • 登記上の所有者と売主の関係
    • 相続登記が完了しているか
    • 共有者全員の意思が確認できるか
    • 代理人が契約する場合は代理権があるか
    • 契約に必要な同意や手続きがあるか

    登記上の所有者と売主が異なっているからといって、直ちに取引できないわけではありません。

    例えば、相続が発生しているものの、まだ相続登記が完了していない場合があります。また、所有者本人ではなく、代理人が売却手続きを進める場合もあります。

    このような場合は、所有権を買主へ移転できる状態にするための手続きや期限を確認します。

    未成年者や成年後見制度を利用している方が取引当事者となる場合は、本人の状況、売却する不動産、契約内容によって、法定代理人等の関与や同意、家庭裁判所の許可などが必要になることがあります。

    見た目だけで判断せず、本人確認、意思確認、権限確認を行うことが重要です。

  2. 登記記録と権利関係を確認する

    法務局では、土地や建物の登記事項証明書、公図、地積測量図、建物図面などを取得できます。

    主に次の内容を確認します。

    • 所有者の住所・氏名
    • 土地の地目や面積
    • 建物の種類・構造・床面積
    • 抵当権
    • 差押え
    • 仮登記
    • 地上権や賃借権などの権利
    • 土地や建物が登記されているか

    抵当権が設定されていても、売買代金の受領と同時に抹消できるのであれば、売却できる場合があります。

    重要なのは、抵当権があるかどうかだけでなく、引渡しまでにどのような手続きで抹消するのかを確認することです。

    また、登記に記録されている内容と、実際の土地や建物が一致しているとは限りません。

    登記は重要な資料ですが、登記だけで物件の状態を判断するのではなく、現地やほかの資料と照合する必要があります。

    土地・建物の登記事項証明書や地図、地積測量図などは、法務局で取得できます。
    ※参照:法務局|登記事項証明書・地図・図面証明書を取得したい方

  3. 土地の面積・境界・越境を確認する

    土地の売買では、どこからどこまでが売買対象なのかを確認します。

    主な確認事項は次のとおりです。

    • 境界標の有無
    • 登記面積と実測面積
    • 隣地との境界確認の状況
    • ブロック塀やフェンスの位置
    • 建物や屋根、配管などの越境
    • 公図と現地の位置関係
    • 測量図や境界確認書の有無

    登記面積と実際に測量した面積が異なることは、珍しくありません。

    その場合は、登記面積で売買するのか、実測面積で精算するのか、引渡しまでに測量や地積更正登記を行うのかを契約条件として整理します。

    境界が未確定だからといって、必ず売買できないわけではありません。ただし、将来の建て替え、隣地との関係、売却のしやすさに影響する可能性があります。

    あなたが何のために土地を購入するのかによって、測量の必要性も変わります。

    ※関連記事:『確定測量図とは?現況測量図・地積測量図との違いと土地売却時の注意点』

  4. 建物と現地の状況を確認する

    書類上の調査だけでは、建物や敷地の実際の状態は分かりません。

    現地では、主に次の内容を確認します。

    • 登記と実際の建物が一致しているか
    • 未登記の建物や増築部分がないか
    • 雨漏りや傾きなどの不具合
    • 増改築や修繕の履歴
    • 隣地からの越境、隣地への越境
    • 擁壁やブロック塀の状態
    • 残置物や付帯設備
    • 現在の利用者や占有状況
    • 周辺の騒音、臭気、振動

    売主からの聞き取りも重要ですが、売主がすべての専門的な情報を把握しているとは限りません。

    売主の説明、登記や図面、現地の状態を照合し、違いがある場合は原因を確認します。

    中古住宅では、建物状況調査(インスペクション)を検討する方法もあります。

    インスペクションは、既存住宅の基礎、外壁などに生じているひび割れや雨漏りなど、建物の劣化状況を一定の範囲で調査するものです。ただし、すべての欠陥を発見したり、将来の不具合が発生しないことを保証したりするものではありません。

    通常の物件調査とインスペクションは目的や調査範囲が異なるため、必要に応じて併用します。

    豆知識

    宅地建物取引業法上の建物状況調査は、国の登録講習を修了した建築士が、国の基準に従って既存住宅の劣化状況を調べるものです。ただし、建物に欠陥がないことを保証したり、隠れた不具合をすべて発見したりする調査ではありません。

    ※参照:国土交通省|既存住宅流通と建物状況調査

  5. 道路と再建築の可否を確認する

    現在、敷地内に建物があるからといって、将来も同じ規模の建物を建てられるとは限りません。

    道路については、主に次の内容を確認します。

    • 建築基準法上の道路に該当するか
    • 道路の幅員
    • 敷地が道路に接している長さ
    • セットバックが必要か
    • 道路の所有者
    • 私道の持分があるか
    • 通行や掘削の承諾が必要か
    • 道路と敷地に高低差があるか

    建築基準法では、建物を建築する敷地について、原則として道路への接道が求められます。

    道路に見える通路であっても、建築基準法上の道路に該当しない場合があります。また、現在の建物を取り壊すと、再建築できない、あるいは建物の規模が小さくなる可能性もあります。

    建築当時は適法だったものの、その後の法改正などによって現行の規定に適合しなくなった建物を「既存不適格建築物」といいます。

    既存不適格建築物は、直ちに違反建築物となるわけではありません。ただし、建て替えや増改築をするときは、原則としてその時点の法令を基準に検討するため、現在と同じ建物を再現できない場合があります。

    建て替えを予定している場合は、現在建っている建物だけを見るのではなく、希望する建物を新たに建築できるかまで確認する必要があります。

  6. 法令上の制限を確認する

    土地や建物の利用方法は、都市計画法、建築基準法、条例などによって制限されます。

    主な確認事項は次のとおりです。

    • 用途地域
    • 建ぺい率・容積率
    • 高さや斜線の制限
    • 防火地域・準防火地域
    • 都市計画道路
    • 地区計画
    • 景観に関する規制
    • 文化財に関する規制
    • 開発・造成に関する規制
    • 災害危険区域などへの該当

    法令上の制限は、現在の利用だけでなく、将来の建て替え、増築、用途変更にも関係します。

    例えば、現在は自宅として利用できていても、建て替え後に店舗を併設できるとは限りません。賃貸住宅や事業用建物への変更に制限がある場合もあります。

    国土交通省は、重要事項説明に関係する法令上の制限と照会先を公開しています。
    ※参照:国土交通省|重要事項説明における各法令に基づく制限等

    法律や条例の名称だけを確認するのではなく、あなたが予定している利用方法にどのような影響があるかを確認することが大切です。

  7. 水道・下水道・ガスなどの設備を確認する

    建物を利用するためには、水道、下水道、ガス、電気などの設備が必要です。

    主に次の内容を確認します。

    • 前面道路に本管があるか
    • 敷地内への引込み管があるか
    • 管の口径や材質
    • 公共下水道を利用できるか
    • 浄化槽が必要か
    • 都市ガスかプロパンガスか
    • 私設管を利用していないか
    • 他人の土地を配管が通っていないか
    • 新たな工事や負担金が必要か

    前面道路に水道の本管があっても、敷地内への引込みがない場合があります。

    引込み管があっても、建て替えや利用方法の変更によって口径が不足し、交換工事が必要になることもあります。

    私道や他人の土地を通して配管する場合は、通行だけでなく、掘削や維持管理に関する承諾も確認します。

    物件価格だけで判断せず、購入後に必要となる工事費や維持費まで含めて資金計画を考える必要があります。

  8. 災害リスク・周辺環境・管理状況を確認する

    不動産調査では、権利や建築制限だけでなく、安全性や暮らしやすさも確認します。

    主な確認事項は次のとおりです。

    • 洪水、雨水出水、高潮のリスク
    • 土砂災害警戒区域
    • 津波災害警戒区域
    • 過去の土地利用や地歴
    • 避難場所と避難経路
    • 周辺の騒音、臭気、振動
    • 近隣の建築計画
    • 周辺に生活環境や購入判断へ影響する施設がないか
      *工場、廃棄物処理施設、大型車両が出入りする施設など、騒音・臭気・振動が生じる可能性のある周辺施設

    重要事項説明では、水防法に基づく水害ハザードマップを提示し、対象物件のおおむねの位置を説明することになっています。

    ただし、ハザードマップの対象区域外であることが、災害が起こらないことを保証するわけではありません。

    災害リスクは暮らしの安全だけでなく、保険料、建築方法、将来の売却にも影響する可能性があります。

    マンションの場合は、さらに次の内容を確認します。

    • 管理費と修繕積立金
    • 売主の管理費・修繕積立金の滞納
    • 管理組合全体の滞納状況
    • 長期修繕計画
    • 修繕積立金の残高
    • 大規模修繕の予定
    • 管理規約
    • ペット、リフォーム、賃貸などの制限

    専有部分の状態がよくても、建物全体の管理状況によって、将来の負担や資産価値が変わることがあります。

物件の種類と購入目的によって追加調査が必要になる

不動産調査の内容は、すべての物件で同じではありません。

物件の種類や購入目的に応じて、追加調査を検討します。

中古戸建てを購入する場合

中古戸建てでは、次の点を確認します。

  • 建物状況調査の実施状況
  • 耐震性
  • 雨漏りやシロアリ被害
  • 増改築の履歴
  • 確認済証・検査済証の有無
  • 未登記部分
  • 既存不適格や違反建築の可能性
  • 将来必要となる修繕費

建物の不具合だけでなく、増築部分が法令や登記にどのように反映されているかも確認します。

マンションを購入する場合

マンションでは、室内だけでなく建物全体の管理状況を確認します。

  • 長期修繕計画
  • 修繕積立金
  • 管理費などの滞納
  • 大規模修繕の履歴と予定
  • 管理組合の運営状況
  • 使用細則
  • 将来の値上げや一時金の可能性

現在の月額負担だけでなく、将来の修繕や管理に必要な費用まで考えることが大切です。

建て替えを前提に土地を購入する場合

建て替えが目的の場合は、現在の建物よりも、土地と道路の条件を重視します。

  • 接道条件
  • セットバック
  • 建築できる面積と高さ
  • 擁壁や高低差
  • 地盤
  • 解体費
  • 造成費
  • 水道などの引込み費用

購入前に建築会社や建築士にも相談し、希望する建物が建築できるか確認する方法があります。

借地権付き建物を購入する場合

借地権付き建物では、建物だけでなく、土地を利用する権利と地主との契約内容を確認します。

  • 借地権の種類
  • 借地契約の残存期間
  • 地代
  • 更新料などの取り決め
  • 借地権譲渡に地主の承諾が必要か
  • 建て替え・増改築に承諾が必要か
  • 住宅ローンを利用できるか
  • 将来売却するときの条件

借地権の売買では、契約書の文言だけでなく、これまでの地主と借地権者とのやり取りも重要になる場合があります。

売却条件だけでなく、購入後にどのような関係を継続するのかという視点も必要です。

収益不動産を購入する場合

賃貸中の不動産では、物件の状態に加えて賃貸借関係を調査します。

  • 賃貸借契約
  • 実際の賃料収入
  • 敷金・保証金
  • 賃料の滞納
  • 入居者との取り決め
  • 修繕履歴
  • 管理契約
  • 将来必要となる修繕費
  • 空室や賃料下落の可能性

表面上の利回りだけでなく、引き継ぐ契約と将来の支出まで確認することが重要です。

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調査結果と現地が一致しない場合はどうする?

書類と現地に違いが見つかったからといって、直ちに購入できないとは限りません。

例えば、次のような食い違いがあります。

  • 登記面積と実測面積が違う
  • 公図と現地の形状が違う
  • 登記されていない増築部分がある
  • 境界標が見つからない
  • ブロック塀が境界線と一致していない
  • 水道管が他人の土地を通っている
  • 私道の持分がない

重要なのは、問題があるかないかだけで判断せず、次の順番で整理することです。

  1. 何が一致していないのか
  2. 原因は分かっているか
  3. あなたの購入目的にどのような影響があるか
  4. 引渡しまでに解消できるのか
  5. 誰が、いつまでに、どの費用で対応するのか
  6. 解消できない場合、どのようなリスクが残るのか
  7. 売買契約書へどのように反映するのか

対応方法としては、売主による測量、越境に関する覚書の作成、登記の修正、設備工事、売買代金の調整などが考えられます。

ただし、どの対応が適切かは、物件の状態や契約条件によって異なります。

調査しても分からないことを曖昧にしない

不動産を調査しても、すべてが明確になるとは限りません。

過去の工事資料が残っていない、配管の正確な位置が分からない、隣地所有者と連絡が取れないなどの理由で、確認できないこともあります。

その場合に大切なのは、「分かりません」で終わらせないことです。

次のように整理します。

  • 現時点で確認できている事実
  • 売主などから聞いている内容
  • 資料がなく確認できていない内容
  • 追加調査の方法
  • 追加調査を行う人
  • 調査期限
  • 調査費用の負担
  • 確認できないまま購入する場合の影響

未確認事項があることよりも、未確認事項が明示されないまま契約が進むことの方が問題です。

不確かなことを不確かなまま示し、その影響と対応方法を比較できる状態にすることが重要です。

買主が不動産会社に確認したい5つの質問

調査内容について、何を聞けばよいか分からないときは、次の質問が役立ちます。

  1. この物件で最も注意すべき調査結果は何ですか?
    多数の調査項目の中から、購入判断に特に影響する事項を確認する質問です。
  2. 私の購入目的に影響する制限はありますか?
    自宅として住むのか、建て替えるのか、賃貸するのかによって、重要な調査結果は異なります。
  3. 書類と現地が一致していない箇所はありますか?
    登記、公図、測量図、建物図面などと、現地の状態に違いがないかを確認します。
  4. 現時点で確認できていない事項はありますか?
    未確認事項がある場合は、誰が、いつまでに、どのような方法で確認するのかも聞きましょう。
  5. 将来、売却・賃貸・相続するときに影響する事項はありますか?
    今すぐ困らなくても、将来ご家族が不動産を引き継いだときに問題になる条件があります。

現在の利用だけでなく、将来の管理や処分まで考えて確認することが大切です。

良い不動産調査は、あなたの目的と結び付いている

同じ調査結果でも、その影響は購入する人の目的によって変わります。

例えば、現在の建物にそのまま住む人にとって大きな問題でなくても、建て替えを予定している人にとっては、購入判断を左右する場合があります。

また、あなたが住めるかどうかだけでなく、将来ご家族が管理、売却、相続するときに困らないかという視点も必要です。

良い不動産調査とは、決められた項目を調べて書類の空欄を埋めることではありません。

調査結果を、あなたの暮らし、資金計画、購入目的、家族の将来に結び付けて説明することです。

問題が見つかった場合も、すぐに結論を出すのではなく、次の内容を確認したうえで、進める場合と見送る場合を比較できる状態にすることが大切です。

  • 解消する方法はあるか
  • どの程度の費用がかかるか
  • どのくらいの期間が必要か
  • 解消できないリスクは何か
  • 進める場合と見送る場合で何が変わるか

最終的に購入するかどうかを決めるのは、あなた自身です。

最終的に購入するかどうかを決めるのは、あなた自身です。

不動産会社には、その判断に必要な材料を整理して説明する役割があります。

※関連記事:『良い不動産会社の見分け方|あなたの想いと家族の将来を考える担当者とは』

調査内容に不安が残る場合の対応

物件調査や重要事項説明書の内容に不安が残る場合は、次の順番で整理してみてください。

  1. 調査資料と重要事項説明書案を早めに受け取る
  2. 分からない箇所や食い違いに印を付ける
  3. 購入目的への影響を質問する
  4. 確認済みの事実と未確認事項を分ける
  5. 未確認事項の確認方法と期限を決める
  6. 必要に応じて別の専門家へ確認する

不動産会社の説明が間違っているとは限りません。

しかし、その物件や契約条件が、あなたやご家族に合っているかどうかは、別の立場から確認することにも意味があります。

すでに調査資料、重要事項説明書案、売買契約書案を受け取っている場合は、契約を進める前に第三者へ確認してもらう方法もあります。

当社の『不動産のセカンドオピニオン』では、物件を勧める立場とは切り分けて、権利関係、道路、境界、契約条件、購入後の費用や将来の売却への影響を整理しています。

「買うべき」「やめるべき」と結論を押し付けるのではなく、あなた自身が納得して判断するための材料を整えるサービスです。

まとめ|不動産調査は納得して判断するために行う

不動産取引の調査は、重要事項説明書の空欄を埋めるためだけに行うものではありません。

その不動産を購入して予定どおり利用できるか、購入後にどのような費用や制限が生じるかを確認し、契約するかどうかを判断するために行います。

特に、次の点を明確にしておきましょう。

  • 登記上の所有者と売却権限
  • 抵当権などの権利関係
  • 土地の面積、境界、越境
  • 建物と現地の状態
  • 道路と再建築の可否
  • 法令上の制限
  • 水道などの設備と追加費用
  • 災害リスクや管理状況
  • 現時点で確認できていない事項

調査によって問題が見つかっても、すぐに購入を諦めなければならないとは限りません。

大切なのは、解消できる問題なのか、どのくらいの費用や時間が必要なのか、購入後も残るリスクなのかを整理することです。

現在の暮らしだけでなく、将来の売却、賃貸、管理、相続まで見据えて確認することで、あなたとご家族に合った判断がしやすくなります。

FAQ

Q
不動産会社が調査すれば、購入後の問題をすべて防げますか?
A

すべての問題を事前に把握できるとは限りません。通常の物件調査で分かること、専門家による追加調査が必要なこと、調査しても不確定なことを分けて確認する必要があります。

Q
不動産調査とホームインスペクションは同じですか?
A

不動産の物件調査と建物状況調査は、調査する対象が異なります。不動産の物件調査では、権利関係、道路、法令上の制限、設備などを幅広く確認します。一方、宅地建物取引業法上の建物状況調査は、所定の講習を修了した建築士が、国の基準に従って既存住宅の劣化状況を確認します。一般に「ホームインスペクション」と呼ばれる民間調査は、サービスによって調査範囲が異なるため、依頼前に内容を確認しましょう。

Q
未確認事項が残っている物件は購入しない方がよいですか?
A

未確認事項があるだけで、直ちに購入を見送る必要があるとは限りません。購入目的への影響、追加調査の可否、必要な費用、契約条件で対応できるかを整理して判断します。

Q
売主の説明だけで判断しても問題ありませんか?
A

売主からの聞き取りは重要ですが、売主がすべての専門的な情報を把握しているとは限りません。登記、図面、役所資料、現地の状態などと照合することが大切です。

Q
調査内容に不安がある場合は誰に相談できますか?
A

まずは仲介する不動産会社に確認します。内容に応じて、土地家屋調査士、建築士、司法書士、弁護士などへの相談が必要になる場合があります。契約全体を第三者の立場から整理してもらう方法もあります。