「親族の戸籍を調べてみたら、法律上の相続人が誰もいなかった」

「一人暮らしだった親族が亡くなり、実家をどうすればいいのか分からない」

このページは、そんな状況に直面したあなたのために書きました。
相続人が一人もいないと分かったとき、遺産や実家(不動産)は自動的に国のものになるわけではありません。「相続財産清算人」という手続きを経る必要があり、これを知らずに放置すると、空き家の管理責任や近隣トラブルがあなた自身に及ぶこともあります。

結論から言うと、相続人がいない財産は次の順序で処理されます。

  1. 家庭裁判所が「相続財産清算人」を選任する
  2. 清算人が債権者・受遺者への支払いを行う
  3. 特別な縁故があった人(内縁の配偶者など)への財産分与を検討する
  4. 残った財産は国庫に帰属する

この記事では、相続財産清算人の役割と選任の流れ、費用、そして多くの方が気になる「実家などの不動産はどう処分されるのか」「いとこは相続人になれるのか」「税金は誰が負担するのか」まで、実務の順序に沿って解説します。

相続財産清算人とは|相続人がいない遺産を整理する人

相続財産清算人とは、亡くなった方(被相続人)に相続人がいない、またはいるかどうか分からない場合に、家庭裁判所が選任し、遺産の管理・清算・国庫への引き継ぎまでを担う人のことです。多くの場合、弁護士や司法書士が選ばれます。

被相続人に相続人がいないと、法律上、遺産は「相続財産法人」という扱いになります。持ち主のいない財産状態のままでは、借金の返済も、不動産の売却も、誰も手を付けられません。そこで家庭裁判所が相続財産清算人を選び、相続財産法人の代表者として、債権者への支払いや不動産の処分などの職務を行わせる仕組みになっています。

相続財産清算人は、主に次の業務を行います。

  • 預貯金、不動産、有価証券などの財産調査
  • 借金、未払金、税金などの債務調査
  • 空き家や土地などの維持管理
  • 債権者や受遺者への弁済
  • 家庭裁判所の許可を得た不動産の売却
  • 特別縁故者への財産分与手続への対応
  • 残余財産の国庫への引継ぎ

相続財産清算人は、申立人の代理人ではありません。

*参照:裁判所「相続財産清算人の選任」

「相続財産管理人」との違い

以前は同じ役割の人を「相続財産管理人」と呼んでいましたが、2023年(令和5年)4月1日施行の民法改正により、相続人がいない場合の担当者は「相続財産清算人」という名称に変わりました。役割はほぼ同じですが、改正によって手続きにかかる期間が大幅に短縮されています。

なお、現在の民法には遺産分割前の財産保全を目的とした「相続財産管理人」という別の制度も新設されているため、「清算人」と「管理人」が混同されやすい点は注意しておきましょう。

その前に確認したいこと|本当に「相続人がいない」状態か

相続財産清算人の手続きに進む前に、まず「法定相続人」の範囲を正確に確認する必要があります。民法上、相続人になれるのは次の人に限られます。

  • 配偶者
    配偶者は常に相続人になります。ただし内縁関係・離婚後の元配偶者は含まれません。
  • 第1順位:子
    すでに子が亡くなっている場合は孫が代襲相続します。
  • 第2順位:直系尊属
    直系尊属(父母)。父母が亡くなっていれば祖父母になります。
  • 第3順位:兄弟姉妹
    兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は甥・姪が代襲相続。ただし甥・姪の子への再代襲は認められません。

家庭裁判所への申立てでは、被相続人だけでなく、父母、兄弟姉妹、甥・姪などについても、相続人が存在しないことを確認できる戸籍が求められます。

いとこは相続人になれる?

結論として、いとこは法定相続人にはなれません。 法定相続人の範囲は上記の第3順位(兄弟姉妹・甥姪)までと民法で明確に定められており、それより遠い親族であるいとこは、たとえ生前どれだけ親しくても遺産分割協議に加わることも、遺産を自動的に受け取ることもできません。

相続人がいない場合、遺産はどうなる?

「相続人が誰もいなかったら、財産は勝手に国のものになるのだろうか」と不安に思う方は多いですが、実際にはいくつかの段階を踏みます。

  1. ステップ1:相続財産法人の成立と清算人の選任

    相続人のあることが明らかでない場合、遺産は自動的に「相続財産法人」となります。そのうえで、利害関係人(被相続人の債権者、特定遺贈を受けた人、内縁の配偶者などの特別縁故者、共有不動産の共有者など)または検察官が、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続財産清算人選任」を申し立てます。

  2. ステップ2:債権者・受遺者への弁済

    選任された清算人は、公告を行って被相続人の債権者や遺贈を受けた人を捜し、申し出のあった人に対して遺産から支払いを行います。この時点で財産を使い切れば、手続きはここで終了します。

  3. ステップ3:特別縁故者への財産分与

    債権者への支払い後も財産が残り、かつ相続人が現れなかった場合、家庭裁判所は「特別縁故者」からの申立てにより、財産の全部または一部を分与できます。特別縁故者とは、内縁の配偶者、生計を共にしていた人、献身的に介護・看護にあたった人などを指します。分与を希望する場合は、後述する公告期間の満了後3か月以内に申し立てる必要があるため、期限を過ぎないよう早めの行動が重要です。

  4. ステップ4:残余財産の国庫帰属

    特別縁故者への分与を経てもなお財産が残る場合、その財産は最終的に国庫に帰属します。つまり「相続人がいない場合、遺産は国庫に入るのか」という疑問への答えは、原則としてYesです。 ただし、いきなり国のものになるのではなく、上記のとおり債権者への弁済や特別縁故者への分与という「精算」の手続きを経たうえでの話である点を押さえておきましょう。なお、不動産が他の人との共有名義になっていた場合は、国庫に入る前に、その持分が他の共有者に帰属する扱いになります。

相続人でない者に財産を残すには遺言による「遺贈」を行う

あなたに法定相続人がいないものの、いとこ、内縁の配偶者、友人、介護してくれた人などに財産を残したい場合は、生前に遺言書を作成しておくことが重要です。

法律上、相続人ではない人に財産を残すことを「遺贈」といいます。遺言書では、相続人に対しては「相続させる」または「遺贈する」と記載できますが、相続人ではない人に対しては「遺贈する」と記載します。

*参照:政府広報オンライン「知っておきたい遺言書のこと。無効にならないための書き方、残し方」

例えば、次のように財産を特定します。

遺言者は、遺言者が所有する下記土地及び建物を、〇〇〇〇に遺贈する。

ただし、不動産の遺贈では、次の点も決めておく必要があります。

  • 固定資産税や管理費を誰が負担するか
  • 借入金が残っている場合の扱い
  • 遺言執行者を誰にするか
  • 家財や残置物を誰が処分するか
  • 不動産を受け取る人に維持費を負担できるか
  • 相続税や登記費用をどう準備するか

単に「財産はすべて〇〇に渡す」と書くだけでは、死亡後に不動産の場所や対象範囲が分からなくなる可能性があります。

不動産を遺贈する場合は、登記事項証明書に記載された所在、地番、家屋番号などを使って財産を特定することが大切です。

なお、養子縁組をすれば養子は法定相続人になりますが、養子縁組は財産だけでなく親子という身分関係そのものを生じさせます。財産を渡すことだけが目的なら、まずは遺言による遺贈を検討し、養子縁組は専門家へ相談したうえで慎重に判断してください。

相続人がいない場合の手続き

  1. ステップ1.戸籍を集めて相続人を調査する

    まず、被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍謄本、改製原戸籍を集めます。
    さらに、父母、子、兄弟姉妹、甥・姪などの戸籍をたどり、相続人となる人がいないかを確認します。
    相続人全員が相続放棄している場合は、家庭裁判所から相続放棄申述受理証明書などを取得して確認します。

  2. ステップ2.遺言書の有無を確認する

    自宅、貸金庫、金融機関、法務局、公証役場などを確認します。
    相続人がいなくても、遺言によって包括遺贈または特定遺贈を受ける人が指定されている可能性があります。
    特に包括受遺者がいる場合は、相続財産清算人を選任するケースとは手続きや税務上の扱いが異なるため、遺言書の確認を先に行う必要があります。

  3. ステップ3.相続財産と債務を確認する

    主に次の資料を集めます。

    ・不動産の登記事項証明書
    ・固定資産税の納税通知書
    ・固定資産評価証明書
    ・預貯金通帳や残高証明書
    ・有価証券の明細
    ・生命保険関係書類
    ・借入金や未払金の資料
    ・賃貸借契約書
    ・借地契約書
    ・管理費や修繕積立金の請求書

    不動産が借地上にある場合や、共有不動産、再建築できない土地、境界未確定の土地などの場合は、売却方法や評価額が大きく変わります。
    申立て前に不動産の状況を調査しておくことで、必要となる予納金や清算方法を検討しやすくなります。

  4. ステップ4.家庭裁判所へ選任を申し立てる

    申立先は、原則として被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
    申立てができるのは、次のような利害関係人または検察官です。
    ・被相続人にお金を貸していた債権者
    ・特定遺贈を受けた人
    ・特別縁故者となる可能性がある人
    ・被相続人の不動産によって被害を受けている人
    ・被相続人から財産を預かっている人

    単に近所に住んでいるというだけでは、申立人としての利害関係が認められないことがあります。

  5. ステップ5.相続財産清算人の選任と公告

    家庭裁判所が相続財産清算人を選任すると、相続財産清算人が選任されたことと、相続人に権利を主張するよう求める公告が行われます。
    現在の手続では、相続人を捜すための公告期間は6か月以上とされています。
    また、相続財産清算人は、債権者や受遺者に対して、一定期間内に請求を申し出るよう公告します。

  6. ステップ6.不動産を管理・処分する

    相続財産清算人は、不動産の現地確認、鍵の管理、保険契約の確認、残置物の整理、境界や権利関係の確認などを行います。
    売却する場合は、不動産会社による査定や買主の募集を行い、必要に応じて家庭裁判所の許可を取得します。

  7. ステップ7.債権者や受遺者へ支払う

    不動産の売却代金や預貯金から、法律に従って次のような費用・債務を支払います。
    ・清算に必要な管理費用
    ・相続財産清算人の報酬
    ・借入金
    ・未払医療費
    ・未払家賃や管理費
    ・税金
    ・遺言で指定された遺贈

    財産より債務の方が多ければ、債権者が全額を回収できるとは限りません。

  8. ステップ8.特別縁故者への財産分与

    相続人捜索の公告期間が終わっても相続人が現れなかった場合、特別縁故者は、公告期間の満了後3か月以内に財産分与を申し立てます。
    期限を過ぎると、原則として申立てができなくなるため注意が必要です。
    *参照:裁判所「特別縁故者に対する相続財産分与」

  9. ステップ9.残った財産を国庫へ引き継ぐ

    債務の支払いと特別縁故者への分与が終わっても財産が残っている場合は、その残余財産が国庫へ引き継がれます。

主に必要な書類

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式(除籍・原戸籍を含む)
  • 被相続人の父母・直系尊属の死亡が確認できる戸籍謄本
  • 兄弟姉妹がいた場合は、その出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続放棄をした人がいる場合は、相続放棄申述受理証明書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 財産に関する資料(不動産の登記事項証明書、預貯金通帳の写し、有価証券の残高証明書など)
  • 申立人の利害関係を証明する資料
  • 相続放棄がある場合は、その受理証明書など

戸籍の収集範囲は家系図次第でかなり複雑になるため、弁護士や司法書士に確認しながら進めることをおすすめします。

相続財産清算人の申立てに必要な費用

申立てには収入印紙・郵便切手のほか、予納金が必要です。

予納金は、遺産の中に清算人の報酬や手続き費用をまかなえるだけの現金・預貯金がない場合に、申立人が家庭裁判所に納める費用で、目安として20万円〜100万円程度になることが多く、遺産の内容によって金額が変わります。なお、手続き終了時に予納金が余れば、申立人に返還されます。

相続財産に十分な預貯金があれば、予納金が不要となることもあります。
一方で、財産が売れにくい不動産だけで、現金や預金がほとんどない場合は、相当額の予納金を求められる可能性があります。
予納金の金額は全国一律ではありません。財産の内容、管理期間、清算人の業務量などを踏まえて、家庭裁判所が個別に判断します。

相続人がいない不動産を処分するときの注意点

相続人がいない不動産は、通常の相続不動産より売却に時間がかかる傾向があります。
特に次のような問題があると、清算人選任後もすぐには売却できません。

  • 建物内に大量の家財が残っている
  • 建物が老朽化して倒壊の危険がある
  • 土地の境界が確定していない
  • 土地の境界が確定していない
  • 借地権や底地権が設定されている
  • 私道の通行・掘削承諾がない
  • 隣地への越境がある
  • 共有持分だけを所有している
  • 賃借人が入居している
  • 抵当権や差押えが残っている
  • 再建築できない土地である
  • 土壌汚染や埋設物の可能性がある

相続財産清算人は法律上の清算手続きを行いますが、不動産の市場価値、売却方法、建物の状態、借地・底地関係まで自動的に解決されるわけではありません。

そのため、申立て前または選任後の早い段階で、不動産会社、弁護士、司法書士、税理士などが連携して、次の点を整理することが重要です。

  • 現状のまま売却できるか
  • 解体して土地として売却すべきか
  • 測量や境界確認が必要か
  • 誰に売却するのが合理的か
  • 売却費用を相続財産から捻出できるか
  • 売却代金で債務と清算費用を賄えるか

特に借地権、底地、共有持分などは、一般的な土地・建物とは買主や売却方法が異なります。

単純に価格の高い業者を選ぶのではなく、権利関係を整理したうえで、家庭裁判所に説明できる売却方法を設計することが大切です。

相続人が不存在の場合、納税義務は誰にかかるのか

相続人がいないからといって、被相続人の税金が自動的に消えるわけではありません。

  • 被相続人の国税
    相続人も包括受遺者もいない場合、相続財産法人が国税の納税義務を承継し、相続財産清算人が申告や納付手続きを行います。被相続人について準確定申告が必要な場合、相続財産法人の清算人が確定した日の翌日から4か月を経過する日の前日までが、原則的な申告期限とされています。
    *参照:国税庁「民法上の相続人が不存在の場合の準確定申告の手続」
  • 固定資産税など
    相続人がいない場合でも、不動産に対する固定資産税や都市計画税が当然になくなるわけではありません。
    自治体は、固定資産税などの債権を相続財産に対して申し出ることがあり、相続財産清算人がほかの債務とともに整理します。固定資産税は原則として毎年1月1日時点の登記名義人などに課税されるため、死亡時期や清算人の選任時期によって処理が異なります。
    *参照:東京都都市整備局「相続財産管理手続きの流れ」

具体的な納税義務者、納税通知書の送付先、現所有者申告の必要性については、不動産所在地の市区町村または都税事務所へ確認してください。

遺贈や特別縁故者への分与を受けた場合

相続人ではない人が遺贈や特別縁故者への財産分与によって財産を取得した場合、相続税が課税される可能性があります。

被相続人の配偶者、一親等の血族など以外の人が財産を取得した場合は、原則として相続税額の2割加算の対象となります。
*参照:国税庁「相続税額の2割加算」

「相続人ではないから相続税はかからない」とは限らないため、不動産を受け取る前に税額を試算しておく必要があります。

特別縁故者なら必ず財産を受け取れるわけではない

特別縁故者として申立てができるのは、主に次の人です。

  • 被相続人と生計を同じくしていた人
  • 被相続人の療養看護に努めた人
  • その他、被相続人と特別な縁故があった人

例えば、内縁の配偶者、事実上の養子・養親、長期間にわたって生活を支えた人などが該当する可能性があります。
ただし、親戚だった、時々連絡を取っていた、葬儀を行ったというだけで、当然に特別縁故者と認められるわけではありません。裁判所は、同居期間、生活費の負担、療養看護の内容、交流状況などを確認し、財産を分与することが相当かどうかを判断します。分与されるとしても、必ずしも財産の全部を受け取れるとは限りません。

*参照:裁判所「特別縁故者に対する相続財産分与」

特別縁故者として申立てを検討する場合は、次のような資料を残しておくことが重要です。

  • 同居していたことが分かる住民票
  • 生活費を負担していた記録
  • 振込明細や通帳
  • 医療・介護への関与を示す資料
  • 手紙、メール、写真
  • 介護日誌
  • 病院や施設との連絡記録
  • 被相続人の意思が分かる書面

相続人がいない場合に、あなたが最初にすべきこと

あなたが親族、知人、大家、近隣住民などの立場で相続人不存在の問題に直面した場合は、次の順番で整理してください。

  1. 勝手に財産を処分しない
    相続人や受遺者が後から判明する可能性があります。
    緊急性のない家財処分、預金の引出し、不動産の売却などは行わないでください。
  2. 遺言書を確認する
    法務局の自筆証書遺言書保管制度や、公正証書遺言の有無も確認します。
  3. 戸籍で相続人を調査する
    「身寄りがないと聞いていた」という周囲の話だけで判断せず、戸籍によって確認します。
  4. 不動産の状態を確認する
    雨漏り、倒壊、放火、不法侵入、越境など、緊急対応が必要な問題がないか確認します。
  5. 自分がどの立場に当たるか整理する
    あなたが次のどれに当たるのかを明確にします。
    ・債権者
    ・受遺者
    ・特別縁故者候補
    ・不動産によって被害を受けている近隣所有者
    ・大家や管理会社
    ・被相続人の財産を預かっている人
  6. 専門家へ相談する
    相続財産清算人の選任は、戸籍、裁判所手続、税務、不動産処分が同時に関わります。
    特に不動産がある場合は、法律手続だけでなく、「売れる不動産なのか」「どの程度の費用が必要なのか」を申立て前に確認しておくことが重要です

よくある質問

Q
相続人がいない家はどうなるの?
A

そのままでは誰も管理・処分できません。利害関係者からの申立てにより、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選任し、その清算人が裁判所の許可を得て不動産を売却(換価)などの処分を行います。

Q
相続人が誰もいなかったらどうなる?
A

遺産は法的に「相続財産法人」という一つのまとまりとして扱われます。その後、清算人によって借金などの支払いが清算され、最終的に残った財産は国庫(国)に引き継がれます。

Q
相続人がいない場合、遺産は国庫に入るのか?
A

はい。亡くなった方の債務(借金など)を支払い、さらにお世話になった人(特別縁故者)への財産分与を行った後、それでも残った財産のみが最終的に国庫へ帰属します。

Q
相続人が不存在の場合、納税義務は誰にかかりますか?
A

遺産そのものが「相続財産法人」となり、選任された相続財産清算人が、遺産の中から固定資産税などの未払い税金を納付する手続きを行います。

Q
相続人がいない場合、いとこは相続人になれる?
A

なれません。法律上の法定相続人は、配偶者、子、直系尊属(親・祖父母)、兄弟姉妹(およびその代襲相続人である甥・姪)までと厳格に決まっています。

Q
相続人でない者(いとこやお世話になった人など)に相続させるには?
A

生前に「遺言書」を作成して遺贈(いぞう)するか、死後に家庭裁判所に申し立てて「特別縁故者(とくべつえんこしゃ)」として認めてもらう必要があります。確実なのは生前の遺言書作成です。

Q
相続人がいない場合手続きはどうする?
A

亡くなった方にお金を貸していた債権者、特別縁故者、または近隣住民などの「利害関係者」が、家庭裁判所に対して「相続財産清算人選任の申立て」を行うのが基本の手続きです。

Q
相続人がいない場合、どうすればいいですか?
A

あなたが「自分の遺産を残す相手がいない」というご本人であれば、生前に遺言書を書いておくのが最善です。もしあなたが「相続人不在の不動産に困っている関係者」であれば、速やかに専門家へ相談し、相続財産清算人の選任申立てを検討してください。

まとめ|あなたが望む未来のために、専門家への相談を

本記事では、「相続人がいない場合」の法的な仕組みと、不動産がどのように処分されるかについて解説しました。

最も重要なメッセージは、「相続人がいない不動産は放置しても自然に国が引き取ってくれるわけではなく、裁判所を介した清算手続きが必要になる」ということです。

もしあなたが「自分の財産を誰にどう託すか」で悩んでいる本人であれば、遺産が国庫に入るのをただ漫然と待つのではなく、元気なうちに「遺言書」を作成しておくことが最高の解決策です。また、近隣の放置された空き家や、相続人不在の不動産トラブルでお困りの場合は、不動産と相続の実務に精通した専門家へ相談することが確実な第一歩となります。

 

株式会社ユー不動産コンサルタント

脇保雄麻

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