兄弟で遺産相続の不動産を円満に分けられますか?

 

不動産は、現金のように均等に分けることができないので遺産分割で揉めるのが多いのが不動産です。

相続財産の一つに不動産があると相続人同士で分けるというのは難しくないですか?

中には建物が古いから取り壊して、兄弟で土地を分筆して半分づつ土地を相続するから問題ないと思っている人もいるかもしれません。

しかし、その考え方が非常に危険です!!

土地の分け方一つで、不動産の市場価値が大きく変わるからです。

土地の分け方を間違ってしまったために市場価値を大きく下げてしまう土地になってしまったり、

中には、建物自体建てられないような全く利用価値が無いような土地になってしまったりする可能性だってあります。

今回は、不動産を相続人で分ける正しいやり方について解説していきます。

 

はじめに

親が無くなったら残された財産を誰がどのように分配するかで、

実際に相続が発生した兄弟姉妹は頭を悩ませることが多いです。

特に相続財産の大半が不動産と言われており、

誰がどの不動産を相続されるかやどう不動産を評価していくかでトラブルになりやすいです。

この記事では不動産を兄弟で相続する場合に

よくある不動産の分け方について詳しく解説していきます。

現物分割

現物分割とは、

不動産そのものを分割して、それぞれが所有する方法です。

土地の場合で良く行われておりますが

土地であれば分筆して土地を切り分ける方法です。

建物の場合でも2世帯住宅のような建物であれば

1階部分の世帯と2階部分の世帯を区分登記して分けたりする方法です。

土地を分筆したり、建物を増築・改築したりして、複数の相続人がそれぞれ住めるようにするなどが考えられます。

不動産現物分割のメリット

・それぞれで所有権を持つことが出来る

・各所有権を持っていれば自由に売買等も行える

・売買するにも名義変更等も共有と比べ容易

不動産現物分割のデメリット

・不動産によっては分割ができない

・土地分筆によって再建築できない土地となってしまう場合もある

・変に土地分筆によって市場価値を大きく下げてしまう

・そもそも区分登記することで市場価値が無くなってしまう場合がある

・土地と建物の関係等も考慮しないとリスクが大きい

・価値が均等になるということは難しい

代償分割

特定の相続人が不動産を取得し、代わりに他の相続人に金銭を支払し分割する方法です。

他の相続人に支払う金銭の額は、不動産の評価額に基づいて決まることが多い。

不動産代償分割メリット

・変に分筆等して不動産価値を下げるリスクが無い

・共有名義でないので自由に売却も出来る

・不動産を相続した人が自由に不動産自体を利活用等も出来る

不動産代償分割デメリット

・金銭支払う側にまとまった資金が必要

・不動産の評価額や金銭によって揉めることがある

換価分割

換価分割とは、遺産を売却して売却代金を法定相続人で分配する方法です。

相続する不動産を売却して、

不動産を売却することで得られた売却金を

相続人間で分けるということです。

不動産換価分割メリット

• 現金で分配されるため、金銭的なやり取りがしやすい
• 不動産の分割が難しい場合でも分けられる

不動産換価分割デメリット

• いくらで売却するか相続人で話の折り合いがついていないと売却に長期化される
• 現金化までの時間的な点を考慮すると市場価格よりも安くなりがち

共有分割

共有分割とは、相続する遺産を相続人全員の共有で所有するということです。

相続する遺産が不動産の場合、

一つの不動産を複数の相続人で共有で所有するという方法の事です。

共有分割は、相続人同士で話がまとまりにくい時に最終的に相続人全員で共有することが多いようですが、

不動産を共有で相続するのはなるべく避けましょうと言われております。

不動産共有分割メリット

・遺産分割まとめやすい

・相続人同士で揉めていたら共有にしやすい

 

不動産共有分割デメリット

・共有者の意見が合わないと不動産を活用しきれない

・税制での特例等を活用しきれないことがある

 

不動産を共有分割を避けた方が良い理由

相続する不動産を相続人同士での共有を避ける傾向があるのは、

共有者の意見等が合わないと簡単に売約できなかったり活用等も出来なかったりするためです。

相続人のなかには、

兄弟はみんな仲が良いので共有でも全く問題ないということもあると思いますが、

代が変わって2次3次相続となっていくと先がわからないからです。

将来的なトラブルであったり、

共有者同士での意見等も合わずに活

用しきれずにそのまま放置されてしまうリスクがあるからです。

 

不動産を共有分割したほうが良い場合もある

不動産を共有名義にするのを避けるのは、どういう不動産を相続されるかにもよります。

なるべく遺産相続で不動産を共有にしない方が良い言われることがありますが、

共有名義にすべきパターンもあります。

過去に合った事例

借地権の実家を長男が相続して、その分を弟は現金を相続しました。

ただ、兄弟は実家での思い入れもあり実家を売りたくないから、

相続税の申告を相談した税理士からは、

長男が実家を相続する形になり、弟は現金を相続したという形で提案されたということでした。

おそらく、不動産を共有で相続することのリスク等を考えての提案だったのだと思います。

結論から言うと共有にすべきだったということです。

不動産を共有で相続が良い場合とは

今回の事例だけに当てはめると

不動産を共有で相続する選択したほうが良かったポイントは3つあります。

①実家が借地権であったこと

②借地面積が広かったこと

③建物が古くそのままでは使えないこと

 

土地が所有権ではなく借地権だったということが一番大きかったと思います。

借地権の場合は、

借地権設定者(地主)との間での契約上での権利形態ですので

簡単に兄弟で敷地を分けたり建替えたりできない訳です。

今回は、実家の建物が古かったため、

いずれにしても建物をそのまま利用することが出来なく大規模な修繕等が必要です。

その場合は地主の承諾等が必要になってきます。

 

借地上の建物をどうせ建替えるのであれば、

兄弟で借地部分を分けて、

それぞれが借地権利部分に好きな建物を

建てるということも可能性だってあります。

 

地主が簡単に承諾しない!?

であれば、実家の借地権を兄弟の共有にしておき第三者へ売却してといういことも可能ですし

地主が承諾しなければ、地主の承諾に代わる手段もいくつか考えられるわけです。

 

なので

遺産相続で不動産を相続人同士で共有にしてはいけないということは、

必ずしもないということです。

 

まとめ

兄弟で相続した不動産を円満に相続するためには、早めの対応と対策をしておくこと。

それぞれの方法とメリットデメリットを理解したうえで早めに不動産相続専門家に相談することです。

兄弟で揉めないためには

お互いを尊重しつつ妥協点を見つけることも大切です。

株式会社ユー不動産コンサルタントでは、相続発生する前にやるべき対策等をご提案しております。

遺産相続で揉める原因の多くは不動産と言われております。

円満な相続を迎えるためにも相続発生する前からの対策が秘訣です。