コロナ禍の不動産影響
コロナによって住宅ローン返済の相談件数が増え、新規物件の登録件数も減っている。そんな中で今後は不動産ってどうなるの?
こんにちは。
台東区上野で不動産問題解決コンサルティング仲介の
株式会社ユー不動産コンサルタント脇保雄麻です。
今回は、「コロナ禍の不動産影響」に関してです。
2020年4月~6月のレインズ登録件数
【新規の制約件数の前年同期比】
首都圏マンション:-33.6%
首都圏中古戸建:-22.1%
レインズによる2020年4月~6月の成約物件のレポート発表がありました。
首都圏の中古マンションの成約件数は、前年比33.6%マイナス、中古戸建は前年比22.1%マイナスとなっておりました。
減少率は1990年5月の機構発足以来で過去最大とのことで新型コロナウィルスの影響によるものが大きいのが伺えます。
価格における前年同期比を見ると中古マンションが0.8%上がっております、それに対し中古戸建は10%マイナスとなっております。
新型コロナウィルスによる価格下落は、成約件数の下落に比べるとそこまで謙虚な影響は出ていないことが分かります。
【新規の登録件数の前年同期比】
*東日本不動産流通機構レポートより
首都圏マンション:-11.2%
→新規登録件数は 45,020件で前年比マイナス 11.2%の 2 ケタ減となり、3 四半期連続で前年同期を下回った。
首都圏中古戸建:-15%
→新規登録件数は 15,356 件で前年比マイナス 15.0%の 2 ケタ減となり、17 年 1~3 月期以来 13 四半期ぶりに前年同期を下回った。
新規登録件数も下がっているのに対して成約価格は比例して下がっていない!?
首都圏中古戸建の価格は前年比で下がっているのに中古マンションは前年比で上がっています。
不動産価格は需要と供給で価格が決まります。
通常であれば新規登録件数が少なくなっていれば需要があるエリアであれば価格も上がっていく傾向にあります。
では、新規登録件数も減少していて成約件数も減少しているのに首都圏の中古マンション価格は前年比横ばいです。価格にまだ影響が出ていないのは何故か?
一つの理由としては、マンション価格が高値で推移していたという事が考えられます。
しばらくマンション価格は右肩上がりだったですが、価格自体は頭打ち感は正直ありました。
何故、マンション価格が右肩上がりになっているのかを私見を交えて1年くらい前に記載したものがあるのでご参考ください。
【不動産価格推移(過去10年)】
投資で買われる方がマンションでは多かったです。特に東京オリンピックの誘致が決まったあたりから外国人による不動産購入者が増えておりました。
また、一時期、相続税対策でタワーマンションを購入する手法が流行りました。実勢価格ではタワーマンションの上層階は低層階と比べて高くなりますが、相続税評価では、上層階も低層階も実勢価格ほど価格差がないため、その価格差を利用して相続対策としてタワーマンション購入者がありました。
投資や相続税対策でマンション購入者が減っていけば価格自体が下がっていくのですが、売り出し件数が減っていることが原因かもしれせん。本来の実需での購入者が残っているたため売り出し件数が減っても価格自体に大きく下がることなかったのかもしれません。
上記理由から、マンション価格に関して上がっていくとは考えにくく、逆に下落するという表現よりも適正価格に戻っていくという表現にした方が正しいかもしれません。
価格自体は需要と供給で左右されます。それだけ消費者動向が重要という事ですよね。
ローン返済相談件数の増加
新型コロナウィルスの影響により自宅勤務を余儀なくされた方も増えているかと思います。収入の減少によるローン返済での相談件数も増加している傾向があります。
全国銀行協会HPより新型コロナウィルスに関する各行の取組等を確認できます。
フラット35を扱っている住宅金融支援機構による住宅ローン返済によるお問合せ件数が増加しています。2020年2月~5月での累計2,265件。
そんな中で要件を満たす場合は、返済の変更が出来ます。
住宅金融支援機構による返済方法変更メニューとは、
1:返済特例(返済期間の延長や元金の返済に据置期間を設定することで、毎月の返済額を減らす)
2:中ゆとり(顧客と相談した期間内で、毎月の返済額を減らす)
3:ボーナス返済の取りやめ(このほか、ボーナス返済月の変更、毎月分・ボーナス返済分の返済額の内訳の変更も可能)
上記1~3は同時に組み合わせる事もでき、手数料は無料との事です。
【新型コロナでローン返済影響】
今後の不動産価格の影響はどうか?
今後の不動産価格の影響は、下がっていく傾向にあるが暴落するとは考えにくいです。
バブル崩壊した時のように不動産価格が暴落するとは考えにくい理由としては、当時の不動産は投機的に買われていることが多かったのと金利が高かったことが伺えます。価値があまりないような物件に融資受けてありえない金額で売買されていたのですから驚きです。
現状ではいまだ低金利が続いております。また、不正融資の問題発覚以降は投資目的の融資は厳格化されています。
それに対して実需に対しては、景気低迷により低金利が続くことが予想され適正金額で住宅ローンを組めば賃料支出よりも少なく住まいが持てる考え方から実需での購入需要は減らないです。
国の方でも様々な景気対策としての政策を考えていくのではないかと思っております。少なからず住宅ローン控除や住まい給付金は、このまま延長が続くのではないかと考えてます。
【フラット35不正融資問題に対して】
過去2回、不動産価格が下落したことがありました。過去の動きから10年ごとくらいに変動していることが分かります。
1990年のバブル崩壊
土地は買えば上がるという土地神話があり借入を起こして投機的に不動産が買われ過熱されていた不動産価格が総量規制により融資が抑制されたことで価格が下がっていきました。
2008年リーマンショック
アメリカの投資銀行リーマンブラザーズの経営破綻。当時アメリカは不動産価格が右肩上がりで低所得者にも融資するサブプライムローンの金利上昇によりローン破綻者が増えアメリカ不動産価格が下落していきました。米国経済は日本経済にも影響があるため、日経平均も当時1万円切っておりました。
2020年新型コロナウィルス
営業自粛や在宅勤務により給料所得の減少。住宅ローン返済に関しての相談件数が増加傾向にある。
1990年のバルブ崩壊から2000年位を底に不動産価格が上がり始めています。
そこから2008年のリーマンショックにより不動産価格が下がりますが、2013年アベノミクス。物価上昇2%を目標に様々な経済政策が行われました。
そして2020年新型コロナウィルス。営業自粛や営業破綻される企業も相次いでおります。
過去の動きをみると約10年くらいのスパンで上がり下がりを繰り返している気がいます。そうなると今後2030年くらいまで値下がりする!?と過去の傾向からだとそうなります。
今後注目される街は?
今後注目される街のキーワードとしてスマートシティやコンパクトシティが挙げられます。
新型コロナウィルスの影響により自宅勤務やリモートワークという働き方をする企業が今後ますます増えていくのではないかと予想できます。
そうなると通勤便利な都内に自宅を購入しなくてもいいわけです。わざわざ価格が高い都内に買うよりも安くて土地が広い郊外となるわけです。
そこで注目されるのがスマートシティやコンパクトシティです。
リモートワークでどこでも仕事が出来るようになるといっても山奥のポツンと一軒家であれば生活が不便です。通勤の必要性がなくなったとしても買い物や病院といったライフラインがなければなりません。
そこで注目されているのがコンパクトシティという構想です。
(国土交通省HPより)
コンパクトシティとは、医療や商業等の都市機能を誘導することで少子高齢化に対応した街づくりを目指しているのがコンパクトシティです。
これはと首都圏の都市部に限った話ではなく、少子高齢化で過疎化が進む市街地でもいえることです。2002年に制定された都市再生特別措置法に基づくものですが、地方自治体によっては理解されていないという事があるみたいです。ただ、昨今の災害問題等も鑑みて国としては、住居と都市機能のコンパクトシティ化を注力しています。
また、スマートシティという言葉も最近よく聞かれる言葉だと思います。
スマートシティとは、ICT(情報通信技術)を活用しつつコンパクトシティ化を目指す街づくりです。東京都市部に人口が集中しすぎることによる交通渋滞や人口密集による温暖化を減少することも一つの目的みたいです。膨大な情報ネットワークを一元管理することで消費者が生活しやすい街づくりを目指しているというものです。
最近マイナンバーカードの作成を促しておりますが、情報の一元管理を目的としてではないかなと思います。
コンパクトシティは、国や地方自治体が一体となった街づくりプロジェクトでしたが、スマートシティは官民一体の街づくりプロジェクトです。
トヨタ自動車が街づくりプロジェクトに力を入れておりますが、それもスマートシティに基づくものです。
国土交通省でスマートシティに関しての特設サイトを開設しておりました。
【スマートシティ官民一体プラットフォーム】
リモートワークが主流になり都心に通勤しやすい場所に住居を構える必要性がなくなれば、駅近が土地価値あるという固定概念が変わってくる日もそう遠くではないかもしれませんね。
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